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石鹸はなぜアルカリ性なのか。「弱酸性石鹸」は存在しない、その理由

更新日:2026年8月21日 公開日:2024年5月10日

石鹸の泡立ち

石鹸は一般的にpH9〜10程度のアルカリ性です。「弱アルカリ性」という表現もよく見かけますが、これはやや控えめな言い方で、正確には単に「アルカリ性」です。「弱酸性石鹸」という言葉も広く使われていますが、科学的には石鹸は弱酸性にはなり得ません。

IYASAKAの「#肌をメイクする石鹸」もアルカリ性の石鹸のひとつですが、肌には「アルカリ中和能」というpHを整える力が備わっているため、正しく使えば心配いりません。この記事では、石鹸がアルカリ性である理由、汚れを落とす仕組み、そして肌への影響を正確に解説します。

石鹸はなぜアルカリ性なのか

石鹸は、油脂とアルカリ(水酸化ナトリウムなど)を反応させる「鹸化(けんか)反応」によって作られます。この反応で生成される脂肪酸塩が石鹸の主成分となり、石鹸はpH9〜10程度のアルカリ性を示します。これは石鹸という物質の化学的な性質であり、製法を工夫しても酸性やほぼ中性にすることはできません。

アルカリ性が汚れを落とす仕組み

皮脂や汗などの汚れの多くは酸性〜中性の性質を持っています。石鹸に含まれる界面活性剤(脂肪酸塩)は、水になじむ部分(親水基)と油になじむ部分(疎水基)を持っており、この性質を利用して皮脂や汚れを包み込み(乳化)、水と一緒に洗い流します。石鹸のアルカリ性は、皮脂汚れを浮き上がらせやすくする働きもあり、洗浄力の高さにつながっています。

「弱酸性石鹸」は存在しない

「弱酸性石鹸」という言葉をよく見かけますが、これは科学的には正確ではありません。石鹸は鹸化反応によって作られる以上、必ずアルカリ性になります。「弱酸性」と表示されている製品の多くは、実は石鹸(石けん素地)ではなく、合成界面活性剤をベースにした洗浄剤です。ラウレス硫酸Naやココイルグルタミン酸TEAなどが代表的な合成界面活性剤成分です。

こうした合成界面活性剤ベースの洗浄剤は、肌のpHに近いという理由で「低刺激」というイメージで訴求されることが多いですが、一律に石鹸より優れているというわけではありません。一部の合成界面活性剤は、洗浄成分が肌に残留しやすく、肌のバリア機能に負担をかける可能性が研究で指摘されています。一方、石鹸(石けん素地)は水に触れると界面活性作用を失うため、すすいだ後に洗浄成分が肌に残りにくいという特徴があります。

どちらが良いかは一概には言えず、肌質や好みに応じて選ぶことが大切です。

肌のアルカリ中和能とは

中和反応、洗顔石鹸、皮脂、汚れの中和

健康な肌には、アルカリ性の石鹸で洗顔して一時的にpHがアルカリ性に傾いても、自力で弱酸性(肌本来の状態)に戻す「アルカリ中和能」という働きが備わっています。回復にかかる時間は個人差がありますが、目安として30分〜2時間程度とされています。乾燥肌・敏感肌の方はこの働きが低下している場合があり、回復に時間がかかることがあるため、洗顔後はできるだけ早めに保湿を行うことをおすすめします。

石鹸のアルカリ性と肌の常在菌の関係

肌のpHバランス

肌の表面には、肌を弱酸性に保つ働きを持つ「表皮ブドウ球菌」など、肌を守る常在菌が存在しています。表皮ブドウ球菌は弱酸性の環境を好むため、過度な洗浄や、肌が中性〜アルカリ性に傾いた状態が続くと、この善玉菌が減少し、代わりに肌トラブルの原因となりやすい「黄色ブドウ球菌」が増殖しやすくなることが知られています。

つまり、石鹸のアルカリ性そのものが細菌の繁殖を防ぐわけではなく、洗顔後にできるだけ早く肌を弱酸性の状態に戻すこと(アルカリ中和能を働かせること、保湿によってサポートすること)が、肌の常在菌バランスを守るうえで重要という理解が正確です。

敏感肌・乾燥肌・脂性肌それぞれの注意点

  • 敏感肌・乾燥肌の方:アルカリ中和能の働きが低下していることがあるため、洗顔後はできるだけ早く化粧水などで保湿し、肌を弱酸性の状態に整えることを意識しましょう。敏感肌の方向けの詳しい選び方は、敏感肌向け洗顔石鹸の選び方もあわせてご覧ください。
  • ・脂性肌の方:皮脂の分泌が多いため、洗浄力のあるアルカリ性の石鹸との相性が比較的よい一方、洗いすぎるとかえって皮脂が過剰に分泌されることがあります。1日2回を目安に、洗いすぎには注意しましょう。
  • ・どの肌質であっても、アルカリ性の石鹸が合わないと感じる場合(つっぱりが続く、赤みが出るなど)は、無理に使い続けず、洗顔方法や石鹸の種類を見直すことをおすすめします。

正しい洗顔方法

石鹸で洗顔する女性

石鹸をしっかり泡立て、肌に直接指を触れさせずに泡で洗うことを意識しましょう。すすぎはぬるま湯で丁寧に行い、洗浄成分が肌に残らないようにします。洗顔後は、化粧水や乳液で速やかに保湿を行うことで、肌のアルカリ中和能をサポートできます。泡立て方や洗い残しを防ぐ詳しい手順は、洗い残しを防ぐ正しい洗顔方法で解説しています。

肌をメイクする石鹸について

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よくある質問

Q. 石鹸はなぜアルカリ性なのですか?

A. 石鹸は油脂とアルカリを反応させる「鹸化反応」によって作られるため、必ずアルカリ性(pH9〜10程度)になります。

Q. 「弱酸性石鹸」は本当に存在しないのですか?

A. はい。石鹸は鹸化反応によって作られる以上、アルカリ性になります。「弱酸性」を謳う製品の多くは、実際には合成界面活性剤をベースにした洗浄剤です。

Q. アルカリ性の石鹸を使うと肌に悪いのでしょうか?

A. 一時的に肌がアルカリ性に傾きますが、健康な肌には「アルカリ中和能」という力が備わっており、目安として30分〜2時間程度で自然に弱酸性へ戻ります。乾燥肌・敏感肌の方は洗顔後の保湿を心がけましょう。

Q. アルカリ性は肌の細菌にどう影響しますか?

A. アルカリ性が細菌の繁殖を直接抑えるわけではありません。むしろ、肌が弱酸性から離れた状態が続くと、肌を守る善玉菌(表皮ブドウ球菌)が減り、トラブルの原因菌が増えやすくなります。洗顔後に早めに弱酸性へ戻すこと(保湿など)が大切です。

Q. 脂性肌ですが、アルカリ性の石鹸を使っても大丈夫ですか?

A. 皮脂が多い脂性肌の方とは相性が比較的よいとされていますが、洗いすぎるとかえって皮脂の過剰分泌を招くことがあります。1日2回を目安にしましょう。

Q. 合成界面活性剤が入っていない洗浄剤の見分け方は?

A. 成分表示を確認しましょう。ラウレス硫酸Naやココイルグルタミン酸TEAなどが合成界面活性剤の代表例です。天然由来の石けん素地がベースの製品は、こうした表示がありません。

まとめ

石鹸は化学的な仕組み上、必ずアルカリ性(pH9〜10程度)になり、「弱酸性石鹸」は存在しません。アルカリ性は汚れを効果的に落とす一方、肌には自らpHを整える「アルカリ中和能」が備わっているため、正しい洗顔と洗顔後の保湿を心がければ過度に心配する必要はありません。ご自身の肌質に合わせて、正しい知識をもとに石鹸を選んでみてください。

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